1. HOME
  2. ブログ
  3. その他
  4. 餅屋は餅屋?

コラム

BLOG

餅屋は餅屋?

今回は、機械のメンテナンスについて書きたいと思います。

7、8年前のことです、お取引先様から「シュリンク加工された製品に大きな穴があいている」とクレームの連絡がありました。当然社内は信じられないという雰囲気に包まれ、加工を担当したスタッフたちは「まさか!そんなはずはない、機械の調子も良かったし、ちゃんと全数検品をして箱詰めをしているはずなのに・・・」とショックを隠せない様子でした。すぐにお取引先様の倉庫へ納品した製品の検品へ伺うと、大きな穴のあいた製品が自分たちの予想を裏切っていくつも発見されました。

当該クレームは、シュリンク加工の用語で“ヤケド”という症状の穴あきが原因でした。この製品の箱は多色使いで、光を当てる角度によりヤケドによる穴あきが見つけにくいデザインということ、そしてこのような穴があくという認識が加工担当スタッフにはなかったため、検品で見落としが起こってしまいました。

どうしてこのような穴があいてしまうのか、当然私たちにはわかるわけもなく、シュリンクトンネルのメーカーK電気にすぐに連絡をしました。当時使用していたシュリンクトンネルは年季の入ったトンネルで、機械に詳しい私の前職の上司Fがメンテナンスを行っていました。連絡をした当日の数時間後、K電気の営業のA氏が来てくださり、穴あき製品を見てすぐに“ヤケドですね、これ”と言われ、ヤケドについての説明をしてくださりました。その後トンネルを確認したところ、トンネルの庫内にあったファンが正常に稼働しておらず、温風が庫内に均等に送られていないのが原因ということがわかりました。この事故が起きる少し前に上記上司がシュリンクトンネルを確認した時、その上司は“問題なし”と判断していたので、シュリンク加工担当のスタッフは通常通り使用していました。K電気A氏の見立ては、なんとファンが壊れてしまっていて、機械も古く部品の関係で直すことができず、新しいシュリンクトンネルが必要というものでした。A氏はシュリンク加工については非常に知識が深く、シュリンク加工全般そして、ヤケドについて、この日シュリンク加工に携わるスタッフ、私を含む品質管理担当スタッフは多くのことを学ばせていただきました。この日、スタッフの一人が「A氏はシュリンクの神様のようですね」といった位です。

前述の上司Fは機械にはとても詳しく、この事故までは加工で使用しているどの機械も上手に修理、メンテナンスができていたこともあり、このシュリンクトンネルもメンテナンスに問題はなく通常通りに稼働していると誰もが信じていました。まさかシュリンクトンネルの内側にあるファンが壊れていて温風が機械内に送られていないとは・・・こんなことが起こるとはショックでした。

この経験から、日々の機械の作動確認はルールに沿えば素人でも行えますが、機械の稼働率により、加工で使用する機械類はおおよそ1年に一度は専門家によるメンテナンスが大切でそのメンテナンスがクレームを防ぐことに直結していることを学びました。

餅屋はははり餅屋ですね!